ダイバージェンスによる反転狙いとは、価格とオシレーター系のテクニカル指標との間に逆行現象が発生したときに、トレンドの転換を予測してエントリーする方法です。ダイバージェンスは、トレンドの勢いが弱まっていることを示すサインであり、反転の可能性が高まるタイミングを捉えることができます。この記事では、ダイバージェンスの種類や見分け方、エントリーや損切りのポイントなどをわかりやすく解説します。
ダイバージェンスとは何か
ダイバージェンスとは、価格とオシレーター系のテクニカル指標との間に逆行現象が発生したときに、その状態を指します。オシレーター系のテクニカル指標とは、買われ過ぎや売られ過ぎ、つまり相場の過熱感を探り、トレンドの転換点を探る場面で主に使われるインディケーターです。RSIやMACD、ストキャスティクスなどが代表的なオシレーター系のテクニカル指標です。
通常、価格が高値を更新するような動きとなった場合は、オシレーター系のテクニカル指標もより高い数値となります。反対に新安値を更新するような場合はオシレーター系のテクニカル指標も更に低い数値となります。しかし、相場のトレンドが終焉に近づくような場面では、価格が高値を更新しているにも関わらず、オシレーター系のテクニカル指標は逆に低下するといった現象が起こることがあります。この逆行現象をダイバージェンスと言います。
ダイバージェンスが発生するのはトレンド中のみとなります。レンジ中にもダイバージェンスは発生しますが信頼度は高くなく頻発します。このレンジ中に頻発する偽物のダイバージェンスのせいで「使えない」や「ダマシばかり」となっているのです。トレンド中以外には発生しないものとしてしっかり認識しておきましょう。
ダイバージェンスの種類と見分け方
ダイバージェンスには大きく分けて2種類と2つの状態、計4つが存在します。それぞれのダイバージェンスの種類と見分け方について説明します。
ダイバージェンスとリバーサル
ダイバージェンスは、トレンドの終わりを示唆するもので、反転を狙うときに使います。リバーサルは、トレンドの継続を示唆するもので、トレンドに沿ってエントリーするときに使います。ダイバージェンスとリバーサルはとても似ており混同してしまう方も多いのですが、トレンドのどちら側を取るのかを理解しておけば間違えることも無くなります。
上昇トレンドの場合、ダイバージェンスは高値側の切上げを確認してオシレーターとの矛盾を見ていきます。一方、リバーサルは安値側の切上げを確認してオシレーターとの矛盾を見ていきます。リバーサルはトレンドの継続を確認するものですので、支える側で確認すると覚えましょう。もちろん、下降トレンドの場合はダイバージェンスが安値側、リバーサルが高値側に変わります。
強気と弱気
ダイバージェンスとリバーサルには、さらに「強気」と「弱気」の2つの状態があります。強気とは上昇相場を表す言葉で、その言葉の通り上昇を示唆するときに使います。弱気とは下降相場を表す言葉で、下降を示唆するときに使います。つまり「強気のダイバージェンス」と呼んだときは下降トレンドから上昇へ転じるときに発生したダイバージェンスを指し、「弱気のリバーサル」と呼んだときは下降トレンドが継続するときに発生したリバーサルを指すということです。
ダイバージェンスのエントリーと損切りのポイント
ダイバージェンスが発生したときに、どのようにエントリーと損切りを行うかについて説明します
エントリーのポイント
ダイバージェンスが発生しただけでは、すぐにエントリーするのは危険です。ダイバージェンスはトレンドの勢いが弱まっていることを示すサインであり、必ずしも反転するとは限りません。ダイバージェンスが発生した後に、価格が反転する方向にブレイクアウトすることで、反転の確度が高まります。そのため、ダイバージェンスが発生した後に、反転の方向にブレイクアウトしたところでエントリーするのが良いでしょう。
例えば、弱気のダイバージェンスが発生した場合は、売りエントリーを狙います。そのとき、価格が直近の安値を下回ってブレイクアウトしたところで売りエントリーします。逆に、強気のダイバージェンスが発生した場合は、買いエントリーを狙います。そのとき、価格が直近の高値を上回ってブレイクアウトしたところで買いエントリーします。
損切りのポイント
ダイバージェンスが発生したときに、どのように損切りを行うかについて説明します。
ダイバージェンスが発生したときに、損切りの位置は明確になります。ダイバージェンスが発生した後に、反転の方向にブレイクアウトしたところでエントリーした場合は、ブレイクアウトしたポイントを損切りの位置とします。つまり、反転の方向にブレイクアウトしたポイントがサポートやレジスタンスとなり、そこを割れると反転のシナリオが崩れると考えます。
例えば、弱気のダイバージェンスが発生した後に、価格が直近の高値を下回ってブレイクアウトしたところで売りエントリーした場合は、直近の高値を損切りの位置とします。逆に、強気のダイバージェンスが発生した後に、価格が直近の安値を上回ってブレイクアウトしたところで買いエントリーした場合は、直近の安値を損切りの位置とします。
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